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物語文を読み解く力 吉祥寺 個別指導塾 中学受験 国語

中学受験を目指す小学生に国語を指導していて、説明文(+論説文)と物語文のどちらが難しいですかと保護者様から聞かれることがあります。私の答えは「物語文です」。

そうなんですか?と驚かれること、しばしば。一見したところ、説明的文章の方が言葉が難しく、漢字も多いし、文体もかたいのでなんとなくとっつきにくいからでしょう。しかし、説明的文章ではテーマが明確であり、書いている事柄から外れていくことはありません。

ところが、物語文ではそうは行かないのです。だって、テーマが明確に書いてある物語なんて面白くないですよね?私なら興醒めして読まないと思います。そもそもテーマを考えるのも物語の醍醐味なのです。

物語文においては、そこで起こった出来事から作者は何を言いたいのか、書かれていないことを読み解く必要があります。そこで必要になってくるのが「心情語」という言葉です。物語文における特に記述問題で難しいと感じるものは、出来事+心情語が根幹に据えられています。この二つの要素を組み合わせることで長い記述にも立ち向かえるようになります。

心情語とはなんでしょうか。「楽しい」「悲しい」「嬉しい」「感謝」「後悔」「羨ましい」「驚く」などなど、大人が聞くと「ああ、そういうことね」と思う言葉が並びます。しかし、子どもはこの言葉が出てくるかと言われると、どうでしょうか?

心情語を覚えて使いこなすコツとは? 国語の物語文が苦手な子どもへの関わり方

リンクにもあるように、日常的に難しい言葉を使うことをオススメはしますが、日常生活で語彙を増やせるかどうかについてはお子様によってかなり差があるなと私は感じています。その上、複雑な心情(例えば愛憎相半ばするような場合)になると大混乱になるお子様もしばしばいらっしゃいます。

指導においては、こういう時はこの心情語です、と教えるようにしています。国語の物語文で苦手を減らしたいなら、最低限の心情語を覚えること。問題文に書かれていない心情語を自分で答えられるようになることです。(某大手塾4年のいわゆるBテキストにも心情語一覧があります。)慣れるまでは心情語一覧を見ながら記述するのでも構いません。多少文章が変だな?と思っても、だんだんとそれなりになっていくので大丈夫です。