
2026年09月27日
「前はできていたのに、なぜここでつまずく?」――算数・数学は、今の単元だけ見ても本当の原因は見えてきません
「この単元が苦手なんです。」
そう言われて、一緒に問題を見てみると、
実は、その単元そのものが原因ではない。
そんなことは、特に算数・数学では珍しくありません。
算数・数学は、前の単元で身につけたことを使って、次の単元を理解していく教科です。
つまり、前の土台が少し不安定なまま先へ進んでしまうと、次の単元で突然「分からない」が増えていきます。
たとえば・・・
分数が怪しい。
↓
割合や比で苦しくなる。
分数そのものを使う問題が減ったように見えても、計算や考え方の中では、分数の理解が必要になる場面がたくさんあります。
小数・分数の計算が不安。
↓
文章題で処理に時間がかかる。
文章の意味は理解できているのに、計算のところで時間がかかってしまう。
「文章題が苦手」と思っていたら、実は計算の土台が原因だった、ということもあります。
比の意味が曖昧。
↓
速さ・図形・割合などで苦しくなる。
「公式は覚えています」
でも、そもそも何を比べているのかが分かっていない。
これでは、少し形が変わった問題が出てきた途端に手が止まってしまいます。
中学生になれば、さらに分かりやすくなります。
正負の数や文字式が不安。
↓
方程式で苦しくなる。
そして、
方程式が曖昧。
↓
関数や文章題で苦しくなる。
このように、一つ前の「ちょっとした分からない」が、後になって大きな壁になることがあります。
だからこそ私たちは、
「今、学校で何をやっているか」
だけではなく、
「その単元を理解するために必要なところまで、本当に身についているか」
を見るようにしています。
先取り学習を否定しているわけではありません。
余裕がある子が先へ進むことには、もちろん意味があります。
ただ、
基礎が不安定な状態で先取りだけをどんどん進めても、できることが増えるとは限りません。
むしろ、後になって「どこから分からなくなったのか分からない」という状態になることもあります。
だから、時には戻ります。
一つ前の単元へ。
さらに、その前へ。
「こんなところまで戻るの?」
と思うような基本問題を、もう一度やることもあります。
でも、それは後退ではありません。
次に進むために必要な準備です。
勉強は、「どこまで先に進んだか」だけで測るものではありません。
どれだけ先取りしたかより、
今まで習ったことを、どれだけ自分の力として使えるようになっているか。
算数・数学では、そこを丁寧に確認することが、結果的に一番の近道になることがあります。
先へ進むことも大切。
でも、必要なら戻る。
そして、土台ができたら、また進む。
私たちは、その子にとっての「ちょうどいい順番」を大切にしています。

