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「前はできていたのに、なぜここでつまずく?」――算数・数学は、今の単元だけ見ても本当の原因は見えてきません

「この単元が苦手なんです。」

そう言われて、一緒に問題を見てみると、

実は、その単元そのものが原因ではない。

そんなことは、特に算数・数学では珍しくありません。

 

算数・数学は、前の単元で身につけたことを使って、次の単元を理解していく教科です。

 

つまり、前の土台が少し不安定なまま先へ進んでしまうと、次の単元で突然「分からない」が増えていきます。

 

 

たとえば・・・

 

分数が怪しい。
↓
割合や比で苦しくなる。

 

分数そのものを使う問題が減ったように見えても、計算や考え方の中では、分数の理解が必要になる場面がたくさんあります。

 

 

小数・分数の計算が不安。
↓
文章題で処理に時間がかかる。

 

文章の意味は理解できているのに、計算のところで時間がかかってしまう。

「文章題が苦手」と思っていたら、実は計算の土台が原因だった、ということもあります。

 

 

比の意味が曖昧。
↓
速さ・図形・割合などで苦しくなる。

 

「公式は覚えています」

でも、そもそも何を比べているのかが分かっていない。

これでは、少し形が変わった問題が出てきた途端に手が止まってしまいます。

 

 

中学生になれば、さらに分かりやすくなります。

 

正負の数や文字式が不安。
↓
方程式で苦しくなる。

 

そして、

 

方程式が曖昧。
↓
関数や文章題で苦しくなる。

 

このように、一つ前の「ちょっとした分からない」が、後になって大きな壁になることがあります。

だからこそ私たちは、

「今、学校で何をやっているか」

だけではなく、

「その単元を理解するために必要なところまで、本当に身についているか」

を見るようにしています。

 

先取り学習を否定しているわけではありません。

余裕がある子が先へ進むことには、もちろん意味があります。

 

ただ、

基礎が不安定な状態で先取りだけをどんどん進めても、できることが増えるとは限りません。

 

むしろ、後になって「どこから分からなくなったのか分からない」という状態になることもあります。

だから、時には戻ります。

 

一つ前の単元へ。

さらに、その前へ。

 

「こんなところまで戻るの?」

と思うような基本問題を、もう一度やることもあります。

 

でも、それは後退ではありません。

次に進むために必要な準備です。

 

勉強は、「どこまで先に進んだか」だけで測るものではありません。

どれだけ先取りしたかより、

今まで習ったことを、どれだけ自分の力として使えるようになっているか。

算数・数学では、そこを丁寧に確認することが、結果的に一番の近道になることがあります。

 

先へ進むことも大切。

でも、必要なら戻る。

そして、土台ができたら、また進む。

私たちは、その子にとっての「ちょうどいい順番」を大切にしています。